国際金融危機をめぐって、ドイツのメルケル首相がEU内部から批判を浴びている。在ベルリンのジャーナリスト、永井潤子氏が月刊『未来』1月号(未来社)(にドイツ政治・社会に関する興味深い記事を連載している。
キリスト教民主同盟のメルケル首相は、財政規律を重視する政策を続けており、今回の金融危機への対策として財政出動に慎重な姿勢を堅持している。
ドイツ初の女性宰相、メルケル首相は、もとは科学者であり、かつ東ドイツ出身。マイノリティーとしての経歴を背負ってドイツ首相に登り詰めた異色の政治家である。
堅実な政治手腕が持ち味だが、100年に一度といわれる経済危機に際して、この政治スタイルがフィットするかどうか。経済大国ドイツの財政出動に期待する欧州各国では、メルケル首相に批判的な論調が強まっているという。保守政党を率いるメルケル首相にとって、リベラリズム政策を展開するのは簡単なことではないのだろう。
今、世界の大国の政治状況を見ると、保守政党、社会民主主義政党が拮抗している。アメリカは民主党が政権を奪取し、イギリスも労働党が政権をなんとか保持している。一方で独仏は保守政権である。
連休中に日本のマスコミ各社が実施した世論調査によれば、麻生政権の支持率が軒並み20パーセントを切っている。久々、自民党が下野することになる情勢であるが、民主党に政権運営の準備はできているだろうか。
ところで、『未来』に連載を続ける永井潤子氏は、1995年から2年半、ケルンにあったドイツ国営放送局「ドイチェ・ヴェレ」で机を並べた同僚だった。当時、すでにドイツ滞在20年を超えていた永井氏は、朝日新聞外報部から研修派遣された私に、ドイツ事情のイロハを教えてくれた「師匠」であった。本日のブログ記事も、永井氏の記事に負うところが大きい。ベルリンに居を移してフリーランスで執筆活動を続ける永井氏にエールを送りたい。