FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

◎贈与税軽減への評価(2009年4月5日)

 贈与税軽減が永田町で議論されている。親が子どもに家を購入するための資金援助をする場合に、生きているうちなら相続税ではなく贈与税を支払うことになるが、この贈与税を軽減することにより、高齢者の資産を市場にはき出させて、景気対策にしよう、という意図から出てきた政策である。
 有識者の間では、賛否両論あるようだ。小論文の問題として出題されてもおかしくない、社会科学の基本的な立場が関係する政策なので、考えてみることにしたい。
 まず、昨日(4月4日)の朝日新聞が指摘していたように、この政策は金持ち優遇という効果がある。子どもに住宅資金の支援をすることができる高齢者は、富裕層である。そして、そのような富裕層の親を持つ子どもも富裕層であることが多い(社会学者・佐藤俊樹の『不平等社会日本』!)。とすれば、この政策は、富裕層親子が、相続税・贈与税を支払うことを減免する効果を持つ、ということができる。
 次に、この政策は、マクロ的に見ると、高齢者の貯蓄が若年層に移転することを促す。高齢者が自分の老後のための貯蓄を、子どもに贈与することが政策的に促される。高齢者福祉が充実しているのであればいいが、後期高齢者医療制度に典型的にみられるように、高齢者福祉が次々と削減されている社会において、このような政策が採用されると、高齢者がぎりぎりの自営のために蓄えた老後の資金が、結果として子ども世帯に移転してしまうことになりかねない。
 以上のような点を利益考量して、それでもなお贈与税軽減が必要なのかどうかを考えていく必要がある。
スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

プロフィール

yamamotojuku

Author:yamamotojuku
朝日新聞記者、Z会東大マスターコース講師(小論文)、伊藤塾講師(小論文)などを歴任。現在は辰已法律研究所などで小論文を教えています。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。